□日本シャーロック・ホームズ・クラブ(JSHC)とは


 欧米には、ベイカー・ストリート・イレギュラーズをはじめとして、シャーロック・ホームズを愛する人たちの団体が300以上もあります。
 日本でも第二次大戦後の1948年10月中旬に江戸川乱歩、吉田健一、ウォルター・シモンズ、リチャード・ヒューズ、リンゼイ・パロット、ジョージ・F・ブリュエットなどが集まって<日本バリツ・クラブ>をつくりましたが、せいぜい一夕寄り集まって雑談を交したていどで、団体としての持続的活動はなかったようです。
 その後、日本ではかなり深い研究を進めている方が多いのに、発表の場や、互いに交流する機会もないままに、各人が孤立して空しく日を送ってきたのはまことに残念だと思っていました。そこで、1977年10月に、小林司(2010年没)と東山あかねが呼びかけて47人のシャーロッキアンが集まり、日本シャーロック・ホームズ・クラブ(JSHC)を創りました。その後会員も700人ほどにふえました。この会は熱狂的なファンや、長年にわたる研究をしている人たちばかりでなしに、昨日からファンになった人や、これからホームズを読み込んでみたいという人たちまでをも含めて、シャーロック・ホームズを愛する人ならばわけへだてなく集まれる会なのが特色です。同じ仲間として平等につきあえる、全く自由な非営利団体です。
 諸外国では、限られたエリートだけが集まってホームズについての知識を誇りあったり、「ワトスンは何回結婚したか」などという狭い範囲の研究をする会をつくっているようですが、この会はもっと大衆的で、博識を競うようなことをなくし、興味の対象も、ホームズを取り巻くヴィクトリア朝時代の文化や社会までも含めて広くとりたいと思います。
 会員の方々がまとめた『シャーロック・ホームズ大事典』(東京堂出版、2001年)、『名探偵シャーロック・ホームズ事典』(くもん出版、2012年)が刊行されましたので、図書館等でご参照いただけると、ホームズ・クラブの会員の活動などが身近になるかと思います。
 自由時間がしだいにふえてきたために、「仕事だけが生きがいだ」という人には暮らしにくい世の中になっているようです。知的遊びもたまには悪くないものですから、あなたもこの会に参加して、ゆとりあるもう一つの人生を楽しみませんか。

             日本シャーロック・ホームズ・クラブ主宰者 東山 あかね


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